認定NPO法人ポケットサポート
代表理事 三好 祐也

私たちの取り組みについて

慢性疾患などの病気を抱える子どもたちは、治療のために入院や長期療養が必要な場合があります。そのときに学校へ行けなかったり、同世代の友達と同じような経験や体験のできない空白(ポケット)が生まれます。このようなポケットのある子どもたちを支援(サポート)したいという思いで、ポケットサポートは生まれました。

【病気を抱える子どもたちが将来に希望をもって暮らせる社会】をビジョンに掲げ、病気の子どもたちへの「学習支援」や学校へ戻るときのハードルを下げる「復学支援」、病気を抱えていても自分らしく生きていけるための「自立支援」を行っています。

そのほか季節ごとに、病気の子どもたちやきょうだいが楽しめる交流イベントや、保護者の方が日頃の悩みを話し合えるスペースの運営も実施しています。また、病気の子どもたちの置かれている環境を広めるための啓発活動、さまざまな機関と連携しながら支援活動を行っています。

幼少期から病気がある当事者(ピア)が専門家と共に団体を運営していることも私たちの取り組みの特徴です。現在は新型コロナウイルス感染症の対策として、様々な支援活動をオンラインで実施しています。

地域での支えあいの大切さ

入院や治療を経て、子どもが過ごすのは地元の「地域」に他なりません。入院や退院を繰り返す子ども、治療のために、ある期間登校や外出ができない子どももいます。

その子が「今、どこにいて」「何に困っているか」といったことを、拾い上げていき、支援につながる体制づくりが必要になります。また、保護者や子どもたちからいただいた大切な声・情報・状況を地域の支援者や医療関係者・学校関係者と共有をしながら、切れ目なくサポートできる体制を大切に考えています。

そこで必要となってくるのは、地域の支援者たち、子どもたちやご家族との「顔の見える関係でのつながり」です。

具体的な事例では、その関係性で培った地域支援ネットワークで、地域の不登校支援のNPOと協働し小児がんの子どもの復学支援を行ったり、医療関係者や教育委員会との連携で入院中の高校生へ遠隔授業を実施するなどのサポートが行われました。

支援者だけでなく、同じような経験のある当事者たち、同世代の友達や、家族・きょうだいも含めて、みんなの想いを重ね合わせ「病気の治療以外の事で苦労をさせない」といった感覚をもって、その子が暮らす地域で支えあえるチームを作りが大切と考え、日々活動をしています。

未来の子どもたちのために

私自身、ネフローゼ症候群という腎臓の病気で、5歳から中学生まで入退院を繰り返す日々を送っていました。そのときの入院生活や、通っていた院内学級での生活にはとても良い思い出がたくさんあります。

それは、自分の周りの関わってくれる人たち(医療スタッフ、地元の学校や院内学級の先生たち、両親やきょうだいなどの家族)が、「入院中でも楽しいことやできることはたくさんある」という環境づくりをしてくれていたからでした。

学生時代に院内学級でのボランティア活動をはじめ、そこで出会う子どもたち(後輩たち)や保護者の方々にも、ただつらいだけの入院生活にならないよう、自分の経験から様々な関わりやアドバイスをさせてもらっていました。

今までも同じように病気を抱えながら、学校へ復帰したり社会人になって頑張っている人たちをたくさんみてきました。今まさに闘病しながら頑張っている子どもやその家族にも「ひとりじゃないよ」「未来には希望があるよ」と伝えていきたいです。

それが、私たちポケットサポートが抱く、未来の子どもたちへの想いです。

【公式ホームページ】https://www.pokesapo.com/

【活動報告ブログ】https://www.pokesapo.site/